歌を忘れたカナリヤ

ただ歌っているだけで、周りを明るくしてくれる。微笑みかける笑顔が、無邪気に思え、一日の疲れが癒される。ただそれだけで良いのです。
　.宇宙の調べは風に乗って、静かに降り注がれ、人々の心は、大らかさを取り戻す。
 　白い雪が降り積もる、全てを無垢の状態に、引きずり込んでくれそうだ。この雪の白さを汚さないで欲しい。
　悲しい歌は涙を誘う。楽しい歌は心を和ませてくれる。少し音程が外れていても構わない。一生懸命ならそれで良い。

　去って行く歌人は、今どんな気持ちで居るのだろうか。それで良いのだと、自分を納得させているのかも知れない。
　他人の口車に乗り、見えなくなった大切な友、振り返れば楽しかった日々、直接何の被害も受けていないのに、親切が仇に成るなんて思いたくもない。
　聴かなくなった、CD段ボールに詰め込んだ。
　思い出に成ってしまうのか、未来は共有できないのか。時間は返ってこない。言葉は取り返しがつかない。クリスマスの朝、しかし奇跡は起こらない。
　意識と感情が心を作る。そこに欲が絡んで、見えなくなる自分。焦って見ても仕方ない。