書初めの日

たまには筆を持ち、墨を厳かにすりながら、心を清め、文字を書いてみるのも、楽しいかもしれません。
硯（すずり）に墨を置き、それをすりながら、いろんな事を考えてみてはいかがでしょうか。
世知辛く、毎日の生活に追われ、自分の時間が持てず、あたふたしながら一日を過ごしてきた人達にとって、この日くらいはゆっくり未来を考え、そのための、そして自分に対する文字を決め、書いてみてはいかがでしょうか。
書初め、そして初夢、この日に起こる現象は、全ての始まりを意味します。
動き出す社会が、この一日の早さにより、一年間のスピードが決まってくるのです。
福袋を買いに急ぐ人達は、急ぐ一年を過ごすことになります。
訪問客を待つ人達は、全てを待つ時間を有効利用できる、そんな１年が待っているのです。
外に出て自然を見て、ゆっくり墨をすり、書く文字を選び、そこに筆をおいたとき、見えてくるものがあるのです。
自分の心は、そのときどこに向かい、何をしたいのか、そして、誰と会い、何かを伝え、向かう方向を少しだけ角度を変えながら、夢見ていくのです。

一文字書き、そしてまた一文字、心を込めながら、和紙に墨をおいていきます。
墨の持つ黒さと輝きは、自分の未来を意味します。
そこに乗せられた文字は文字魂（もじだま）となり、そこから浮き上がり、天を目指すことでしょう。
大いなるこの意味の中で、文字という、この日本人にとってとても大切であり、全ての造形であり、また全ての宇宙の理論であり、ここに形付けられた意識は、私達倭民族に、与えられた最大なる権利なのです。
ここに隠された、大変大きな科学は、未来を読む力は、文字を読むことから始まるのです。
月を読む、要するに、月読命（つくよみのみこと）の意識に触れることも、自然を読むことは、その文字を読むことから始まり、全てを読み取る力は、私達の脳の中のある種特殊な部分に、大きく感応するのです。
書くこと、読むこと、この組み合わせの中に、実は未来を知り、宇宙を知り、現実を知り、行くべき道を、またそれら全てを読み取る力が、ここにあるのです。
私達の不安は、明日が解らないことです。
しかしながら、この書くことから始まる、そして読み取ることから始まる、この言霊と意識は、宇宙全体の想像に繋がり、この地球のあり方に大きく関与していることは間違いないのです。
この読むという能力は、たかだか漢字を読んでいるのではありません。
その漢字の向こうにある、深い意味を読み取らなければ、何の意味もないのです。
読み仮名を書いているわけではないのです。
文字を読むのではなく、その深い意味を読み取るということが、特に大切であり、私達の能力を深めていくことは間違いないのです。

これまでに、このようにたくさんのことを書き続けてきました。
多くの人に読んでいただき、大変感謝しております。
是非、もう一度、この深い意味を知り、一文字一文字が持つ本来の姿、象形文字だからこそ、この裏に秘められた、大きな力を読み取り、そして内容を深く理解するならば、そこから明日が始まります。
今まで書き続けてきた内容に、私達がこれから迎えようとする未来や、また過去の過ちや、地球のあり方や宇宙の存在、心の問題や意識の問題、あらゆる角度から、提案してきました。
是非、それを読み取っていただきたく思います。
出来るだけ解りやすく書きたかったのですが、今までの文章は叙述的な詩の内容に置き換えざるを得ませんでした。
もっと具体的に伝えたかったのですが、余りにも大きな危険をはらんでしまうため、変えざるを得なかったのです。
そこをも理解し、是非、もう一度、読んでみて下さい。
全ての内容は、３回以上読むことにより、その意識に感応するように書かれています。
一度では、本当の意味は解らないように、あえて書かざるを得ないことをお許し下さい。