蝉の声

　暑い夏が続いてます。雨が降ると蒸し暑く寝苦しい夜が、眠りとは反対に色んな事を思い出させてくれます。
子どもの頃は夕方になると林檎畑に蝉の幼虫を捕まえに行き、蚊帳に掴まらせ良くふ化させて楽しみました。
　今は林檎畑に行っても蝉の幼虫はいません、２０年かけて農薬を散布し林檎の天敵の蝉がいなくなりました、もう林檎に袋かけしなくても良いんです、農薬もしなくてもちゃんと育ちます。コオロギもあまり見なくなったし、蝶々も、トンボも、蜂もほとんど居なくなった、畑に行っても昆虫達が居ない、無農薬で、今きゅうり、茄子、トマト、トウモロコシ、小玉スイカ、プリンスメロン、ゆうがお、育てていますが昆虫が居ないので皆見事に育っています。
　全部が奇跡の野菜そんな風に呼べない、居なくなった昆虫達に申し訳ない、人間のエゴで殺してしまった。
　生態系が大きく変わって、環境に適合出来なかった命達も少しずつ減ってしまった。賢いネズミだけが増えている。しかし蛙さえも減っている様な気がする。
　確かに、あの頃とは随分違ってしまったなと強く感じます。
　豊かで便利な世の中、なに不自由ないはずなのに、心だけはそうではないみたいです。
　
　野山を駆けずり回りたい、川で魚を捕まえたり、素潜りでサザエを取ったり、少し疲れているのかも。