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誰でもいいい話がしたくて渋谷に出掛けた
人混みの中でテッシュを渡された
ありがとうって心で思った
向こうも嬉しそうにこっちを見た
路上でギターを弾きながら歌っている青年が居た
しばらくそこで時間を過ごした
何もない一日が穏やかな自分を作ってくれたようだ
缶ビールを買って新幹線に乗った
暗闇の中を静かに走る
今日は誰とも話さなかった
音楽を楽しむのも
たまには良いなと思い
軽井沢に出掛けた
冬の軽井沢はとても寒く、コンサート会場の池も氷ってた
何だか随分前のような気がする
慌ただしい毎日に押し潰され
自分を忘れていたようだ
また何時かそんな時間が持てたら良いなと
古ぼけた喫茶店でコーヒーを飲んだ
ただそれだけの事なのに
何だか心が落ち着いた
現実から離れ意識は自由に遊べる
時間の観念さえ無くしてしまえば
過去も未来も存在しないんだ
思い出してる記憶の角を
ただそれだけで良いんだと
誰の事も信じられなくなって、犬を飼った
飼い主の言う事を忠実に聞いてくれる
お行儀の良い犬を飼った
私も少し前までは、お手もするお座りもする
お行儀の良い犬だった
いつの頃からか首輪の外れた野良犬に成ってしまったんだろう
誰の言う事も聞かない
小さな音にも怯えてしまう
そんなはずじゃなかったのに
もう過去にも戻れないし、戻りたくない
ただ ただ 寂しいだけ
白樺の林を通り抜けてみた
足元には枯葉と溶けかけた雪が少しあった
風が冷たくて両手で頬を押さえた
小さなトンボが目の前を横切った
冬なのにキラッと輝く羽が見えた
木陰から話し声が聞こえる
私達がこんなに楽しく遊んで居るのに
誰も気付かないなんて!
いたずらでもしてくれたら、もっと早く気付いたのに
あれは精霊の羽だったんだ
きっと何時も側で見守っていてくれたんだ
ただ気付かなかっただけなんだ
愛されたいから
愛したんじゃない
優しくされたいから
優しくしたんじゃない
ただ沢山の命と
ここで暮らしていたかっただけなんです
寂しいからと言って
誰でも良い訳じゃない
悲しいからといって
慰めて欲しい訳じゃない
ただ側に居てくれて
誰かの声がするだけで良いんです
許されたいから
許したんじゃない
穏やかでいたいから
争わない訳じゃない
ただ一人で居たくないから
騙され続けていたかっただけです