陰り行く思い出

確かな時間だったはずの、幾つもの過去の出来事が、記憶の中で少しずつ薄れて行くのを、最近感じ始めています。
　忘れて終いたいからではなく、思い出せなくなって行くのは何故なのか、必要無くなった不要の記憶だからかもしれない。
　新しい意識は今までとは違って、具体的に物事を捉え、何をすべきかが、はっきりしていて分かり易い。
　想像を追いかけ掴み損ねた現実を、今一度この手に戻し、確かな一歩を踏み出すチャンスが、訪れようとしているのかも知れない。
　過ぎ去りし日々の出会いに感謝し、もう一度出来る事なら時間を戻しやり直せるのなら、陰る行く思い出の意味が理解できる。
　意識のすれ違いは決して悪い事ではない。成長する為の試練なら、避けて通れない未来への入口なのかも知れない。
　だからこそ過去の清算が必要なのです。そして無駄でなかった現実を今に戻し、時間と意識の共有を始めるのです。