消せない記憶

何時の間にか脳裏に去来し、思い出したくなくても、思い出してしまう。忘れる事の出来ない、厄介な記憶が有ります。
　想い出すきかっけは単純で、物事が自分の思い道理に成らない些細な事で、頭の中にその嫌な記憶が蘇るのです。
　例えば、着て行く服が見つからないとか、待ち合わせ時間に成っても、待ち人が来なかったり、電話をかけても相手が出なかったり、本来は余り気にしなくても良い事なんですが、虫の居所が悪いとか、自愛が強すぎるとかで、そういった現象が起こるのです。
　人生に答えを何時も追いかけ、曖昧な答えでは納得しない。未来の結果を過去の現象から予測し、悪い方に導いてしまう。
　消せない記憶が、自分にとって不合理な物だとしたら、その記憶に自分にとって有利な答えを与えて上げる事で、忘れてしまう事が出来るのです。
　自分の意識を追い込む事が得意な人は、知らず知らずの内に、他人の意識も追い込む癖が出てしまうのです。