眠りから覚めた天使

人間が余りにも身勝手すぎて、嫌気をさした神々。眠りに入り見守る事にしていましたが、やはり見るに見かねてしまい、とりあえず天使達が、目を覚ます事に成りました。
　優しく微笑みながら、穏やかな口調で注意したのですが、誰一人聴いてはくれませんでした。
　そこで、天使達も考えました。やはり脅さないと気付かないのだと。そして、その日から天使が弓や槍を持つ事に成ったのです。
　本来、味方である天使に武器を持たせるなんて、とても恥ずかしい事です。
　今、危機的な時を迎え、警告は何度も伝えられたはずです。なのにまだ気付かない人類は、滅亡を望んでいるのでしょうか。
　経済の安定と平和。社会福祉の充実と教育の向上。確かにまとも過ぎるくらい進歩して来ましたが、失くした物も沢山有るのです。
　心の豊かさ、思いやりの心。自然との調和、そして共存。汚染を無くし環境維持。だからこそ今、間違った化学を捨てる勇気を、持つべきなのです。
　未来の天使は弓や槍を捨て、人類と楽しく過ごせたらと思っています。
　草原に吹く風が、清らかで有ります様に。誰もが願って居るはずです。小川の水が飲めた時代は、有ったのですから。