無に成る

何時も何かを考えてる、眠ろうとすると、返って頭が冴えてくる。
　座禅をしてみても無に成れず、考えるのを止めようとすれば、そう考える事に、意識が働いてしまい、次の瞬間、別の事を考えてしまう。
　無に成る事の難しさに、気付いた時から、この戦いが始まるのです。
　心を落ち着かせる、時計の音が気に成り始める、聞き耳を立てながら、周りを観察して居る好奇心が、環境に興味を持ち、答えを探そうとしている。しかし見つからない答えに、むきに成りながら、それでも探してしまう。
　そんな時は何も考えず、答えも求めない。意識の集中を緩め、穏やかな心地良さを肌で感じ、呼吸を整えながら、目を閉じる。聞こえる音は、有りのまま受け入れ、正体を確認しない。
　無の極意は、極めて単純過ぎて、返って厄介なものなのです。
　しかし、ここを極めれば新しい世界が、待って居るのです。
　神経は研ぎ澄まされ、感性は非常に豊かに成り、特別な気付きの意識に、思わず感動を覚える事でしょう。
　見る物、聴くもの全てが、新しい興味の元で、発生する世界を、楽しんでみませんか。